今さら聞けない不妊治療のギモンをまとめました。
不妊治療を考え始めたものの、調べれば調べるほどわからなくなることもすぐなくありません。そこでこちらでは不妊治療の基本から、妊娠しやすい体をつくるポイントまで、妊活に関わるさまざまなギモンを一挙掲載します。
Q.体外受精における排卵誘発法について、医師からは注射を勧められています。私はもっとマイルドな方法から始めたいのですが…
- 体外受精をスタートすることになったのですが、その際の排卵誘発の方法について悩んでいます。主治医からは注射での排卵誘発法を勧められています。でも私は、注射は作用が強いような気がしてで少々不安です。最初は薬によるマイルドな方法からスタートしたほうが良い気がするのですが、いかがなものでしょう?
マイルドな方法を選ぶ人も増えてきています。ただし注射と比べると、マイルドな方法の妊娠効率は下がるのが実情です。
- どちらを選ぶかは患者さん次第です
- 従来、体外受精ではHMG注射によって排卵誘発をする方法が主流でした。多くの卵子を採取できるため、その分、妊娠効率が上がるからです。一方、昨今では薬によるマイルドな排卵誘発の事例も増えています。医療技術の進歩によって、以前に比べると妊娠効率がアップしてきたからです。そうとは言え、いまだにHMG注射のほうが高い妊娠効率を示しているのが実情です。それぞれの方法のメリットとデメリットを理解し、患者さんご自身も排卵誘発法の選択に積極的に参加をしましょう。
- 妊娠の効率性を重視するならHMG注射がお勧めです
- 細かく見れば排卵誘発には様々な方法があるのですが、大きなくくりで分類すれば排卵誘発刺激法とマイルド法の2種類に分かれます。これらのうち排卵誘発刺激法に属するHMG注射は、1回の治療で10個以上の卵子を採取を目指すことができる非常に効率的な方法です。卵子の数が多い分、1回あたりの妊娠率が高くなることに加え、残った卵子を凍結保存しておくことも可能。妊娠の効率性を重視する方には、HMG注射をお勧めします。
- マイルド法のメリットとデメリットを理解しておきましょう
- 体にやさしいという意味では、マイルド法の選択も現実的です。マイルド法のメリットとしては、「注射を受けるための毎日の通院が不要」「HMG注射と同レベルの卵子が採取できた場合には、HMG注射よりも着床率が高い」「卵巣過剰刺激症候群のリスクが低い」などがあります。一方、マイルド法のデメリットとしては「採取できる卵子の数が1~2個と少ないため胚を得られないことがある」「HMG注射に比べ、妊娠するまでの採卵回数が増える」などがあります。
- 以下のような人にはマイルド法が積極的に適用されます
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次のような患者さんには、HMG注射よりもマイルド法のほうが適していると言えます。
- AMH(卵胞から分泌されるホルモンの一種)の値が1未満の人
- 卵巣過剰刺激症候群になる頻度が高い人
- HMG注射の効果が得られにくい人
- 少しでも自然な形での妊娠を望む人