今さら聞けない不妊治療のギモンをまとめました。
不妊治療を考え始めたものの、調べれば調べるほどわからなくなることも少なくありません。そこでこちらでは不妊治療の基本から、妊娠しやすい体をつくるポイントまで、妊活に関わるさまざまなギモンを一挙掲載します。
Q.軽度の子宮筋腫です。妊娠を望む場合は手術などの治療を受けたほうが良いのでしょうか?
- 数年前に不正出血が見られたので婦人科で検査してもらったところ、子宮筋腫が発見されました。重症ではないとのことなので、特に治療をせずに半年に一度の経過観察のみ続けています。今後、妊娠を希望する場合には子宮筋腫を治すべきなのでしょうか? その場合、治療法は手術になるのでしょうか?
妊娠を望むのであれば子宮筋腫のタイプを特定し、治療が必要な筋腫であるかどうかを判断しましょう。
- 不妊原因となるタイプの子宮筋腫があります
- 子宮筋腫は3タイプに分けられます。1つめが漿膜化筋腫。子宮の外側に筋腫が発育するものです。2つめが筋層内筋腫。子宮の筋層の中に筋腫が生じるタイプです。3つめが粘膜下筋腫。子宮の内腔に向けて筋腫が発達するものです。これらのうち2つめと3つめの筋層内筋腫と粘膜下筋腫は、不妊の原因となることがあります。質問者様の子宮筋腫がどのタイプに該当するのかを特定し、主治医と治療の必要性を検討してください。
- 手術以外にも治療法はありますが、原則は手術です
- 子宮筋腫の治療法には様々な方法があります。薬によって筋腫を小さくすることはできますが、使用中は更年期のような症状が生じるうえ、薬の使用をやめると筋腫はもとに戻ります。ピルを服用すれば筋腫の拡大を止めることができますが、やはり服用をやめれば症状は戻ります。結果として、妊娠を望む患者さんにおいては、手術を選択するのが原則となるでしょう。ただし手術を受けた場合でも、子宮筋腫は再発する可能性が高いため、根本的な治療にはならないこともあります。
- 粘膜下筋腫の摘出法
- 電気メスがついた子宮鏡を膣から挿入して筋腫を摘出します。3cm未満の筋腫であれば、1回の手術で終了です。入院の必要もありません。3cm以上の筋腫の場合は1回だけで摘出することはできないので、数回に分けて手術を受けることになります。患者さんの体への負担は比較的少ない手術ですが、リスクがあることは承知しておきましょう。手術痕に癒着が生れて妊娠しにくくなったり、または術後に筋腫が再発することもあります。
- 筋層内筋腫・漿膜化筋腫の摘出法
- 筋層内筋腫であっても、子宮内腔に変形が見られない場合には妊娠に大きな影響を与えません。また漿膜化筋腫も妊娠に影響はほとんどありません。よって、ともに手術は見送られることが多いのですが、それでもなかなか妊娠に至らない場合には手術を行なう必要が生じるかも知れません。手術法は、腹腔鏡下手術もしくは開腹手術です。筋腫の数が多い場合や癒着が激しい場合には、開腹手術が選択されます。術後に再発するリスクがあることも承知しておきましょう。