妊娠への第一歩!知っておきたい、不妊治療の治療方法

もっとも新しい不妊治療は、卵子のアンチエイジング治療?

不妊大国とも呼ばれる日本では、世界中でもっとも高度生殖医療が実施されています。女性の晩婚化と晩産化が、不妊症が増加している背景の一つの要因です。不妊治療と言えば人工授精や体外受精が一般的ですが、妊娠を望むカップルの高齢化が進む日本では「卵子の質」を改善する治療が注目されています。

一般的な不妊治療のながれ

あなたの年齢や体の状態にもっとも適した不妊治療方法は、どんな治療法?

1978年に世界初の体外受精児が誕生したことは、まさに不妊治療革命ともいえるほど大きなニュースでした。その後の生殖医療の目覚ましい進歩が「女性は希望すればいつでも(高齢でも)妊娠できる!」といったような誤った風潮を作ってしまっています。
一般的に不妊治療といえば、まずはタイミング法に始まり人工授精、妊娠に至らなければ体外受精や顕微授精などの高度生殖医療にステップアップしていきます。
しかし、そもそも体外受精の技術は、卵管が機能していないために卵子と精子が受精できず妊娠に至らない場合の治療法として開発され、その後、原因不明不妊のカップルにも適用されるようになったという経緯があります。
妊娠するという事は「質の良い卵子」と「元気な精子」が出会う事ですが、高度生殖医療などの治療方法はあくまで卵子と精子の出会う確率を上げるための治療であり、卵子や精子の質を上げるための治療ではありません。そのため、とくに40歳以上の高齢で卵巣機能の低下や卵子の老化が不妊症の原因の多くを占める日本では、高度生殖医療をおこなってもその成績は良いとは言えません。
女性が年齢を重ねれば重ねるほど、不妊治療のポイントとなってくるのは、卵巣機能を上げ、より積極的に卵子の質を改善することです。

  薬物療法 侵襲的治療(手術など) タイミング法 人工授精 体外受精 顕微授精 栄養療法 漢方治療
卵管閉塞
(両側)
- - - - - -
排卵障害 - -
原因不明の
男性不妊
(機能性)
- - - - -
器質的な
男性不妊
- - - -
35歳以下
(女性)
- - - -
35歳以上
(女性)
- - - -
40歳以上
(女性)
- - - -
卵子の質の
向上
- - - - - -
子宮内膜の
機能改善
- - - - -
ホルモン
バランス
- - - - -

このページでは、従来の不妊治療に加えて、卵子のアンチエイジング治療を目的とした栄養療法や、妊娠体質へと体質改善する漢方療法など、目的別に不妊治療の特徴をご紹介しています。
体の状態や、年齢を考慮して、自分にとってどんな治療が必要なのか、それぞれの不妊治療の特徴を勉強していきましょう。

不妊治療法の比較

各不妊治療法のメリットとデメリット

メリット デメリット
薬物療法
  • 比較的負担が少ない
  • 男性不妊にも使える
  • 単独では効果が薄いこともある
  • 副作用の心配がある
侵襲的治療
  • 不妊原因を直接治療できる
  • 男性不妊にも使える
  • 患者の負担が小さくない
  • 必ずしも妊娠につながらない
タイミング法
  • 比較的容易な手法である
  • 該当する日に性交渉できるとは限らない
  • 別の問題がある場合は期待薄
人工授精
  • 性交渉によらない妊娠を目指す治療法の中では負担が軽い
  • 1回で妊娠する確率が高いとまでは言えない
体外受精
  • 受精の可能性を飛躍的に高めることができる
  • 採卵時の患者の負担が大きい
  • 副作用のおそれがある
  • 費用負担が大きい
顕微授精
  • 体外受精で無理なケースでも受精させられる
  • 患者の負担が大きい
  • 選択した精子がベストかどうかわからない面もある
  • 費用負担が大きい
栄養療法
  • 体質改善による妊娠に向けた準備ができる
  • 受精率や妊娠率への寄与が不明確
漢方治療
  • 比較的簡単に妊娠しやすい体内環境をつくることができる
  • 直接的に受精や妊娠に関与するわけではない
  • 他の漢方との飲み合わせに注意を要する

それぞれに適した方法で不妊治療を行う

それぞれの不妊治療法のメリット・デメリットや特徴から言えることは、「不妊治療も他の疾患と同様に、現状を正確に把握して行う必要がある」ということです。

男女共に検査を受けても特に問題が見当たらないカップルには「タイミング法」が適しています。ただ、排卵日を狙って性交渉を行うだけでは妊娠に結びつかないこともあるため、必要に応じて排卵誘発剤が併用されるケースもあります。

次に、内科的な問題が発見された場合は「薬物療法」が選択されます。たとえば、排卵障害やホルモンバランスの乱れなどです。

また、その他の心身の疾患を治療して妊娠への障害を取り除く効果も期待されます。薬物の投与方法は内服か注射となります。男性不妊の治療で薬物療法が行われる代表例のひとつがED勃起不全です。

薬物療法では解決しない疾患などが発見された場合は、「侵襲的治療」の選択となります。卵管に閉塞や狭窄が見られたり、精路の閉塞がある場合は外科手術も視野に入ります。

こうした治療法は、あくまでも妊娠のための環境を整えるものです。

さらに、性交渉による妊娠を期待できないケースでは、「人工授精」のステップへと進みます。薬物療法や侵襲的治療を行ったものの改善が見られない場合や、年齢的な面から時間をかけた治療が難しいカップルに向いています。

人工授精は、性交渉のかわりに妊娠に必要な精子を子宮腔内へと送り込む治療法です。その後の受精については性交渉のときと同様となるため、タイミング法と併用して行うことが望まれます。つまり、排卵日にあわせて精子を送り込むのです。

また、人工授精の効果を期待するためには一定以上の総運動精子数が必要となります。

究極の選択ともいえる「体外受精」「顕微授精」は人為的に受精させる治療法であり、妊娠の可能性は高まります。人工授精でも駄目だったケースや、卵管狭窄などが重度のケースだった場合に選択されます。

容器内において、自力で卵子と結ばれるであろうと判断されれば体外受精をすることができます。しかし、その力が不足していたか、不足していると判断される場合に選択されるのが、精子を卵子内へ注入する顕微授精です。

治療法によって費用と期間は大きく変わる

不妊治療は多くの費用と長い期間がかかります。実際、100万円単位のお金をかけているカップルも少なくありませんし、2年3年と年単位で治療を頑張っているカップルもたくさんいます。

ですが、不妊治療の費用と期間は実施する治療法によって大きく変わり、カップルの状態によっても変わります。

タイミング法だけなら費用は少なく済みますが、顕微授精まで行うと多額の費用とそこに至るまでの期間、そしてその後の期間がかかります。

軽度の不妊・初期の治療だけならたいした額にはなりませんが、「高度生殖医療」は金額の負担が大きくなってしまいます。1回あたりの金額が人工授精で数万円、体外受精や顕微授精なら50万円以上になることもあります。

そんな治療法を何度もチャレンジし、数百万円を費やしてしまうカップルも存在します。

他の治療法を試すまでもない場合だけでなく、加齢によって卵子と精子の受精・妊娠能力が低下することも考えられるため、患者の年齢によっては早期に体外受精などを検討することもあります。

高度生殖医療まで考えるなら、年単位の治療になるケースも考えておくべきでしょう。ただ、数年間かけるカップルが多いとはいえ、肝心なのは「自分たちがどれだけの期間を不妊治療にあてられるか」です。しっかりと計画を立てておきましょう。

不妊治療についてわかりやすい資料をひとつご紹介します。

一橋大学国際・公共政策大学院 公共経済プログラム
→ コンサルティングプロジェクト最終報告書「不妊治療をめぐる現状と課題」
https://www.ipp.hit-u.ac.jp/consultingproject/2014/CP14Shibata.pdf

不妊治療方法

漢方、栄養療法などの代替医療から高度生殖医療まで

不妊治療と言っても、治療の特徴や目的によってさまざまです。ご自身に必要な治療にはどんな方法があるのか、簡単にご紹介しています。「不妊治療って難しくてよくわからない!」と感じている方は、必読です。ぜひ参考にしてください。

>>まずはここから!不妊治療を始める前に知っておきたいこと

キャラクター紹介

飯田 久美(36)

なかなか自然妊娠しないので、不妊治療を始めようかと悩んでいる。友達から情報収集したり、病院に通い始めたり、不妊治療について猛勉強中。

国吉 佐江子(39)

久美の友達で、不妊治療経験者。3回目の体外受精で妊娠して、現在子育て中。自分の不妊治療体験を、ありのままに久美に伝えてる。

体への負担なく妊娠しやすい体をつくる「栄養療法」

妊娠に必要な栄養を補給して、体も卵子もアンチェイジング!

一般的な血液検査よりさらに詳しい検査を行うことで、体内環境をチェック。1人1人に必要な栄養素を高濃度サプリメントで、より積極的に妊娠体質へと全身を整える、副作用のない安全な治療法です。排卵誘発剤によって起こる卵巣機能の低下した状態の治療にも効果的です。

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妊娠確率を高めてくれる「タイミング法」

排卵日を予測して「妊娠しやすいタイミング」に合わせます

タイミング法は、自分で基礎体温を計る方法と、婦人科で排卵日を正確に予測して行う方法があります。婦人科で超音波検査や血液検査などを行うと、より正確に排卵日の予測ができるため、最も妊娠しやすいタイミングを知ることができます。

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自然妊娠と違いがない「人工授精(AIH)」

精子を直接子宮の中に入れ、卵子と出会いやすくする

タイミング法で妊娠しない場合に、次のステップとして人工授精に進みます。採取した精子から元気な精子だけを選抜し、直接子宮に注入することで、精子と卵子の出会う確率を上げる治療法です。「人工」という言葉を使いますが、限りなく自然妊娠に近い治療法です。

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卵子と精子を受精させてから体内に入れる「体外受精(IVF・アイブイエフ)」

体外で卵子と精子を受精させる高度生殖医療

タイミング法から人工授精へとステップを踏んでも妊娠に至らない場合に、体外受精がおこなわれます。採取した卵子と精子を体外で受精させた後、培養を続けて分割した胚(=受精卵)を子宮に戻す治療です。卵子を採取し培養する高度な技術が必要なため、治療費も大幅にアップします。

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男性不妊に有効な「顕微授精(ICSI・イクシー)」

1個の精子を卵子の中に直接注入し、受精率をアップ

精子の数が少ない、運動率が低い、奇形率が高いなどのほか、原因不明の受精障害がある場合には、「顕微授精」がおこなわれます。細い針を使って精子を卵子の中に直接注入して、人為的に受精させる方法です。体外受精よりも、治療費用は高額になります。

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体質に合う治療で妊娠力を高める「漢方治療」

「血」や「気」のめぐりを治療して妊娠しやすい体質に

冷え性や血行不良(=いわゆる淤血)、消化機能の低下など、妊娠を妨げている様々な原因に対して、一人一人にぴったり合った漢方薬を飲むことで妊娠体質へと導く治療です。漢方薬の処方内容も、月経周期に合わせて細かく変えていくのが主流です。

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